photograph

スクラップアンドビルド②


SONY α7Ⅲ / ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 Aspherical II

2月後半に約10年ぶりに横浜美術館に訪れた。今回の展示を最後にして大規模改修の為、約2年間の休館に入るということだった。休館になるということ、好きな画家マグリットの展示がされているということもあって少し遠出をした。横浜美術館は2回目の訪問、初めて訪れた時の街の印象がずいぶんと変わっていて、自分がどこにいるのか認識するのに時間を要した。

閉館前の最後の展示になったのは横浜・愛知・富山美術館の3館の共同展示といった形で、画家や時代に特化したものではなく、それぞれの所有する20世紀の代表的な作品を中心に作品たちが展示されているものだった。こういう展示は正直記憶に残りずらい。というのも作品数が多くなることで一つ一つの作品にかける時間が短くなってしまい印象に残らない。そして、語られる時代が幅広すぎて頭の整理ができない。なので展示は作家や芸術活動にフィーチャーされたものであると個人的には楽しめる。

回覧には時間を要したが、時間があったので近隣を歩く。付近は多数の工事が行われており、高く資材などが積み上げられ、建設されていた。足元では多くの人間が通りすぎてゆく。きっと完成した建物の中にはたくさんの人が入ることになるのだろう。今は地面を歩ている人間がそれらの建物に収容されている様子を想像すると不思議な感覚になった。


SONY α7Ⅲ / super takumar 200mm f4


SONY α7Ⅲ / ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 Aspherical II


SONY α7Ⅲ / Voigtlander ULTRON 21mm F1.8 Aspherical VM


SONY α7Ⅲ / super takumar 200mm f4

コロナが流行る前は、僕自身も18階のビルで仕事をしていた。そこにはたくさんの人が集まり、いろんな出会いを得ることができた。建物や場所を作るというのは新たな交流を作ることに等しいのかもしれない。建造物だけでは意味を持たず、人間がそこに作用することで初めて価値を生み出す。

そう考えると、美術館やギャラリーというのはそこに作品が存在し、人が入ることで初めて成立している。19歳の時に見た絵をいまだに覚えていれば、10年前に同じ場所で見たものはすっかり忘れてしまっている。そこで何を感じるかはタイミングや心理的な偏りというのも影響しているだろうか。

近所でも工事が始まり、住み慣れた風景が変化してきている。今の場所に身を置いて5年の月日が経過し、何かを失いながらも多くのことを得た。街とともに人間も変わっている。


SONY α7Ⅲ / Voigtlander ULTRON 21mm F1.8 Aspherical VM

何かを壊し・生み出すには多くのエネルギーと時間を要する。特に一人で積み上げていくには精神面・肉体的にも疲弊する。
しかし、自分はまだ何も創ることができていないと、目の前の大小ある建設工事を見て感じざるを得なかった。


SONY α7Ⅲ / ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 Aspherical II

RELATED POST