写真で見える世界が好きだ。連続した現実とは別の世界を見ることができる。写真は事実を写すが真実ではない。写す者と見る者で真実は異なる。そんな目に見えない差異が面白いと思う。

絵が描けない僕は写真でしか世界を表現できない。普段の何気ない景色も写真を通すことで姿が変わる。目の前の景色を一つの作品にできると思うと何気ない景色も愛おしい。

カメラやレンズによって見える世界が変わるのも良い。人がそれぞれ性格が異なり、年齢や性別があるように、カメラやレンズにもそれぞれの個性がある。それらとの相性が良い機材に出会えると写真はもっと楽しくなる。

大人になり、自然に成長する過程ではなくなった。日々の仕事や眼前に広がる事実を通して自分が成熟していく過程だ。その流れと共に写真が記録として、そして作品として残ることは、何にも代えられない存在であると思う。お気に入りの機材と共にこれから出会う景色を写真におさめていきたい。